北陸電力は30日、家庭向けを含む規制料金について、大手電力会社の中では最大となる平均45%の値上げを経済産業省に申請しました。今後、料金改定に向けた審査が行われます。
北陸電力は30日午後、富山市内で会見を開き、家庭向けを含む規制料金について、平均45.84%の値上げを経済産業省に申請したと発表しました。
大手電力会社10社のうち、東北電力、中国電力、四国電力、沖縄電力に続く5例目で、値上げ幅は他社と比べ最大です。

標準的な家庭では、1か月当たり2696円の負担が増える見込みです。
北陸電力は、来年3月期の連結決算で、過去最大の1000億円の赤字が見込まれていて、松田光司社長は「大変な負担をかけることになり心苦しい限りだが、電気料金の値上げを実施することにした」と理解を求めました。
燃料費の高騰が続き、電力の供給コストがかさむ中、松田社長が重要視するのは石川県志賀町にある志賀原子力発電所2号機の再稼動です。

北陸電力は、原子力規制委員会による審査が最大限効率的に進むことを前提に、再稼動の時期を2026年1月と見込んでいます。松田社長は「事業者、審査側ともに審査の効率化を進めることになっているので、それを徹底的に織り込むと、決して不可能な数字ではないが、かなりハードな目標だと思っている」と述べました。
北陸電力は来年4月の電気料金改定を目指していて、申請が認められれば、家庭向けの電気料金の本格的な値上げは、第2次オイルショック後の1980年4月以来、43年ぶりとなります。
石川県知事「大変厳しい数値」県として支援の方針

北陸電力が大幅な値上げを発表したことについて、石川県の馳知事は30日夕方、金沢市内で記者団に対し「家庭にも利用者にも大変厳しい数値だと思っている」と述べました。そのうえで「北陸電力もこれまで努力を重ねたことはわかっているが、県としても来年度の予算編成の過程で大幅に軌道修正をせざるを得ない危機意識を持っている」として、今後、県として支援する方針を明らかにしました。