40代から落ち始めた視野…諦めかけていたなかでの出会い​

しばらく一人でも外で走れましたが、50歳を過ぎたころからさらにみえにくくなり、スポーツジムなど室内での機械トレーニングを余儀なくされました。しかし3年前、視覚障害ランナーを支援する団体「ブラインド・ガイドRUNサークル『あいりす』」で、ガイドランナーと出会い外で練習できる環境が整いました。

視覚障害ランナーを支援するサークルで練習

藤井幹人さん
「自分にあきらめていた。伴走者と出会うことができて外を走れるということが、こんなに楽しいということを教えてもらった。解放感ですね」

金沢マラソンには2017年から3年連続出場。
ガイドランナーと本格的に練習を重ねた2019年は冷たい雨の中、3時間34分47秒でフィニッシュ。自己ベストを更新しました。

2019年大会で自己ベスト更新(藤井さんは写真中央)

今年も絆のロープといわれる、「ガイドロープ」で2人のガイドランナーと走ります。ガイドランナーは堀泰宏さんとガイドランナー初挑戦となる佐々木武治さんです。

ガイドランナー 堀泰宏さん
「いいライバルとして藤井さんと一緒に走ることが、モチベーションになってます」
ガイドランナー 佐々木武治さん
「一番最初に会った時、藤井さんに目標を聞きましたが、3時間半で走りたい。月300キロ走ること目標にしたい。とおっしゃって、衝撃的でした。自分が恥ずかしくなるくらい」

チーム藤井で完走を目指す

今年は腰を痛め、思うようなトレーニングができずこの日も最後は、歩きながらの調整となった藤井さん。自己ベスト更新は厳しいと語りますが、それでも完走目指して大会に出場します。

「走ることで伝えたいメッセージ」とは

藤井幹人さん
「ぼくは音楽が仕事ですし、音楽で他の人に勇気を与えられればと思っていますが、走ることでも目が不自由でも、障害があっても努力し続けたり、やりたいことを諦めなければできるんだよってところを見せられるんじゃないかと思っています」

走ることでも、誰かに勇気を与えられれば