牛田和希キャスター:PFASとはどのような物質ですか?

金沢大学 地球社会基盤学系・原宏江准教授:PFASは、有機フッ素化合物の総称で「PFOS」「PFOA」を代表とする約1万種類にものぼる物質です。極めて分解されにくく、環境中に長く残留することから「永遠の化学物質」とも呼ばれています。水や油をはじく性質を活かして、撥水加工品、泡消火剤、調理器具、半導体製造などさまざまな用途で使用されてきましたが、その高い残留性と人体に蓄積することが問題視され、現在では一部のPFASが国内外で使用禁止または厳しく制限されています。

牛田和希キャスター:血液検査も行われましたがPFASを摂取するとどのような健康への影響が確認されているのですか?

金沢大学 地球社会基盤学系・原宏江准教授:疫学的な研究では、肝機能異常、甲状腺ホルモンの変動、免疫機能の低下のほか、腎臓がんや精巣がんとの関連性が報告されています。特に、胎児や乳児など感受性の高い集団への影響が懸念されており、世界的に低濃度でのリスク評価が進められています。