迎えた再審 「39年にわたる長い年月を犠牲にしました」

そして迎えた再審の日。

6日午後2時 再審初公判

6日午後2時から名古屋高裁金沢支部で開かれた初公判で、検察側は「懲役7年とした確定審控訴審の判決は妥当。6人の供述はそれぞれ連続して重なり合い、互いの信用性を高め合っている。被告人が犯人であることは明らかであるから、控訴審判決と同様の判決が与えられることを望む」とし、改めて有罪を主張しました。

一方で、新たな証拠は提出しませんでした。

事件から39年、再び法廷の場に立った前川さんは。

再審初公判の前川さん(スケッチ:星野美月)
再審初公判の前川さん(スケッチ:星野美月)

前川彰司さん(59)
「39年にわたる長い年月を、私はこの事件のために犠牲にしました。得るものもありましたが、過ぎ去ったこの年月を振り返るとき、人生の空しさを覚えるのも、また正直なところです」

また、裁判終了後の会見では…



前川彰司さん(59)
「憤りは当然ある 腹立たしさとか。やっぱり福井事件はやはり初めから検察の判断は間違っていた。警察・検察が嘘を見抜けなかったという、ここにそもそもの原因があったのではないか」

裁判は6日で全ての審理が終了し、検察が新たな証拠を提出しなかったことから、前川さんの無罪が確実となっています。判決は7月18日に言い渡されます。