能登半島地震で震度7を観測した石川県輪島市では、全国から訪れた学生ボランティアによるおにぎりの炊き出しが被災者に元気を与えています。

午前6時。地震と火災で大きな被害を受けた輪島市の朝市通り近くにある和菓子店・中浦屋では、学生たちが「おかかもうない。塩キャベツあと握るだけです」と話しながら、慣れた手つきでおにぎりを作っていました。全国からボランティアで訪れた学生たち。どこから来たか尋ねると「神奈川県に住んでいます」、「仙台から来ました」と様々です。

避難所でニーズを聞き取ったところ朝食の炊き出しが必要とされていることを知り、先月から中浦屋の店舗を借りておにぎりや味噌汁を提供しています。毎朝5時に起き、1日に握るおにぎりは400個以上。おかかや塩キャベツなどバリエーションも豊富で早朝から住民らが次々と受け取りに訪れます。

用意されたおにぎり

住民らからは「(以前は)食べる物なかってん、助かっとる」と言った声や「お昼とかの炊き出しはあるんですけど、朝の炊き出しはまず無いので、大学生の子たちには足向けて寝られない」と言った声が聞かれました。

なかには、新作メニューを作ろうと試行錯誤する学生に、「ちょっとコップに入れてみ…べちゃべちゃっていうより、めっこ。固い」と住民がアドバイスをする場面も…

学生「もうちょっと炊きますか」
住民「そのまま一回混ぜてすればいいかもしれん」

学生たちも住民の感謝の言葉や笑顔に元気をもらっています。

仙台から来た島田菜桜子さん「輪島の方とふれあって、こっちも元気を貰うことが多いですし、凄い笑顔とかも見れて、こっちもやって良かったなと思います」

愛媛から来た池田佳隆さん「いつも通りの生活を取り戻そうとする方に、コミュニケーションをとる事が、僕らのやりがいでもあったり、僕らのやるべき事だと思う」

おにぎりを準備する学生ら

場所と提供した中浦屋の中浦政克 社長は「一様にありがとねって明るい声で帰られるのが嬉しいですね。私たち住民の皆さんにお世話になって商売してきたんで皆さんが喜ぶ姿というのは勇気を頂きますね」

被災地を元気にする温かいおにぎりは輪島の人たちと学生たちを結んでいます。

学生たち「今日も良い一日を!ありがとうございました、また来てください」