地震で被災し、酒造りが困難となった石川県能登町の酒蔵。その蔵に残っていたもろみをもとに作られた日本酒が、同じく石川県の白山市の酒造で完成しました。

能登町宇出津の数馬酒造。海から200メートルほどの距離にある酒蔵が津波に襲われ、泥水が流れ込みました。


今季の酒造りが絶望的となった数馬酒造。その数馬酒造の支援に名乗りをあげたのは、能登出身の蔵人が多く働いている白山市の車多酒造でした。1月中に2回、酒蔵に残っていた日本酒のもととなる「もろみ」を運び出し移動させました。

数馬酒造 数馬嘉一郎さん
「仕込みの忙しい時期なのはどこも一緒だと思うが、そんな中我々のために時間を割いていただいたことに、感謝の気持ちと申し訳ないなという気持ちと2つが混在している」
車多酒造 車多慶一郎さん
「助け合いの精神でおいしい酒になればいいなと思いながら、精一杯お手伝い出来れば」

2日間で回収された4500リットルのもろみは、白山市の車多酒造で絞られ、瓶詰め作業が進められました。

徳田耕二研究開発室長
「泡も結構元気になっていますので、いい感じのお酒になると思っています」

本来の作業予定から2週間以上経ってしまったもろみは発酵が進んでいて、辛口となっていましたが、工程を都度工夫して作業を進めました。

そして、2月12日。その酒が完成し香りを確かめてみると…

数馬酒造 数馬嘉一郎さん
「素敵に仕上げてくれました」

上々の出来だったようです。

数馬酒造 数馬嘉一郎さん
「地震以降あっという間で記憶もあまりないような1か月を過ごしたが、こうやって酒になった自社のもろみを手にして、酒を作ってこれからも届けることが我々の酒蔵のできることだなと噛みしめております」

行き場を失った能登のもろみは、白山の地で息を吹き返しました。
数馬酒造の商品名「竹葉」の文字とともに刻まれたのは「Saved by 車多酒造」


地震を乗り越え2つの酒造が作り上げた酒は今月から販売が始まります。
(3月4日放送)