「助けてくれ」崩れ落ちた家から聞こえた父の声 姿が見えぬ母…チェーンソーを手にした近所の人々

家の倒壊という直接的な被害に直面した人たちもまた、想像を絶する事態に直面していた。
完全に1階部分が押しつぶされてしまった実家の前に立つ1人の男性。激しい揺れが収まって外に出た男性が目にしたのは、両親がいるはずの実家が跡形もなくつぶれている光景だった。
男性は当時の絶望感を明かす。
「最初は『もうダメかな』と正直思いました」
無我夢中でがれきに向かって声をかける男性。すると、倒壊した建物の中から父親の「助けてくれ」という声が響いた。近所の人たちも次々と駆けつけ、協力して救出活動を開始。発生から約30分後、傷だらけの父親を救出することに成功した。
しかし、母親からの返事は聞こえてこなかった。
「母親を何回も呼んで、そしたらやっと声が聞こえた。ただ母親もどこにいるかわかんなかったんですよね」
どこに閉じ込められているかも分からない緊迫した状況の中、近所の住民が協力してくれた。
「近所の人がチェーンソー持ってきてくれて、チェーンソーで床を切って、天井も切って」
近所の住民たちがチェーンソーを手に取り、床や天井を切り裂いた。すると、倒れたタンスと天井の間にできた小さな空間に、母親の姿があった。奇跡的に無傷の状態だった。地震発生からおよそ2時間、地域の一身に結束した連携によって、間一髪で両親の命が繋ぎ止められたのだった。














