今年3月、沖縄県名護市の辺野古沖で、修学旅行に訪れていた同志社国際高校の生徒らが乗るボート2隻が転覆し、当時2年生の武石知華さん(当時17)と船長の男性(当時71)が死亡した事故で、学校法人同志社が設置した第三者委員会による調査報告書が31日、公表されました。

この報告書を受け、武石知華さんの両親がコメントを発表しました。

武石さんの両親は調査にあたった委員会や聞き取りに応じた関係者に感謝の意を示した上で、「辺野古コースに関わった多くの学校関係者の当事者意識のなさが、際立っているように思いました。何度も止める機会があったのに、その全てが素通りされてきたこと。読み返すたびに、本当にやりきれない思いが募ります」と胸の内を明かしました。

また、今回の報告書について、自身が提出した告訴状の論理と矛盾せず支えになるものと評価しつつも、「個人の刑事上・民事上の責任には言及しない立場について、もう一歩踏み込んでほしかった」と吐露しました。さらに、引率教員2人の説明の食い違いなどについて不合理さを感じているとし、捜査機関に対して「更に徹底した踏み込んだ捜査を期待いたします」としています。

このほか、学校側に対し「いつまでに、何を実行するのか。具体的な計画と経過の公表を求めます」と再発防止策の迅速な実行と公開を求めました。

知華さんが生前、一度コースの変更希望を出していたものの、抽選に外れて辺野古コースに残ることになった事実を報告書で初めて知ったということで、「まだ心の整理ができていません」としています。

最後につらい記憶を語った生徒へ感謝の言葉を述べるとともに、学校に対し「生徒たちの心のケアを最後まで続けていただきたい」と訴えました。



【武石知華さんの両親のコメント 全文】
本日公表された調査報告書を、全文読みました。
安全管理の実態と、辺野古コースをめぐる過去からの経緯について、踏み込んだ調査がなされていると受け止めています。聴き取りに応じてくださったすべての関係者、そして調査にあたられた委員会に、まず感謝申し上げます。
報告書を読みますと、辺野古コースに関わった多くの学校関係者の当事者意識のなさが、際立っているように思いました。何度も止める機会があったのに、その全てが素通りされてきたこと。読み返すたびに、本当にやりきれない思いが募ります。
下見や計画策定に関する記述など、この報告書は、昨日の会見で唐澤英城弁護士から説明した過失の組み立て、すなわち私たちの告訴状の論理と矛盾するものではなく、むしろ支えとなるものであると考えています。
ただ、この報告書は、個人の刑事上・民事上の責任には言及しない立場を取っています。その性格は理解しますが、個人の責任の重さについて、もう一歩踏み込んでほしかったという思いは残ります。また、引率教員2名の説明が食い違い、委員会としても事実を認定できなかった点をはじめ、いくつかの点については、不合理に感じる供述も見受けられ、関係する教員には不満を感じています。 これらの点については、捜査機関に委ねるほかなく、更に徹底した踏み込んだ捜査を期待いたします。
また、報告書の再発防止策の提言は、実行されて初めて意味を持ちます。学校側が、いつまでに、何を実行するのか。具体的な計画と経過の公表を求めます。
知華が一度、コースの変更希望を出していたこと、そして抽選に外れて辺野古コースに残ることになったことを、私たちはこの報告書で初めて知りました。この点については、まだ心の整理ができていません。
最後に、調査に協力し、つらい記憶を語ってくれた生徒の皆さんにも、心から感謝します。学校には、生徒たちの心のケアを最後まで続けていただきたいと思います。