「お菓子作り」に見えた一筋の光

 動けない、言葉が出ない。そんな暗闇の中で、みずきさんは一筋の光を見つけました。

 それが、「お菓子作り」です。

 みずきさんが小学4年生の時、色とりどりのフルーツを乗せたカラフルなタルトや羊のキャラクターのケーキなど、作ったケーキの画像をSNSに投稿したところ、その豊かな表現力に多くの人から反響がありました。みずきさんに「ケーキ屋さんになりたい」という夢が生まれました。

 母の千里さんは、みずきさんの夢を実現するため、そして娘が社会とつながるための「居場所」を作るために奔走します。みずきさんとともに独学でケーキ作りを学び、やがて働きながら、お店の開業に必要な「食品衛生責任者」の資格を取得しました。

 みずきさんが小学6年生のときに、親子で「みいちゃんのお菓子工房(滋賀・近江八幡市)」をオープン。みずきさんが、自宅以外で唯一、身体を自由に動かすことができる場所になりました。

 2022年3月にお店を訪れると、店内にはクマがのったショートケーキや大きなイチゴがのったムースが並べられていました。



 (客)「(プリンに)笑顔がある」
 (母 千里さん)「お話ができないので、ケーキとかプリンとかにお顔を入れたりして、それがこの子のメッセージなんです

 お客さんと直接触れ合えなくても気配だけでも社会と繋がることができるとして、みずきさんは営業日には必ずお店に立っていました。