まとめ “将来は「震度」のように”

防災気象情報の構成は根本から新しくなり、最初は戸惑うこともあるかもしれません。しかし、「レベル3で高齢者など避難に時間のかかる人は避難」「レベル4で危険な場所からは全員避難」という、基本となる私たちが取るべき行動のタイミングはこれまで運用されてきた「警戒レベル」と全く変わりません。

皆さんに求められることは、情報の名称を正確に覚えることではありません。最も大切なのは、いま自分がどんな避難行動をとるべきなのかを、レベルで直感的に判断することです。

今回の変更に関連した議論を続けてきた国の有識者会議の座長を務めた、京都大学防災研究所の矢守克也教授は、今回の変更を「ホップ・ステップ・ジャンプ」の「ステップ」と位置付けたうえで、将来は地震の「震度」のように、日本語名称をなくした数字(レベル)だけの形に「ジャンプ」する可能性に言及しています。

「震度4」と言われれば、どれくらいの強さで、大きな被害がありそうかどうかといった共通認識を、日本に住む多くの人が持っています。気象においても、こうした「レベル」感がさらに浸透していけば、「〇〇警報」というような日本語名称なく、「大雨レベル4」のように情報をよりシンプルな形に改善することを見据えているのです。

まもなくやってくる大雨・台風シーズン。テレビやスマホの通知などを通して「レベル○」という数字を見かけたら、自分がいまどう行動するべきかを意識し、早めの避難につなげてください。

文:前田智宏
毎日放送 気象予報士(南気象予報士事務所所属)
MBSテレビ「よんチャンTV」などに出演中。京都大学大学院 情報学研究科博士後期課程(防災研究所)にて、防災気象情報に関する研究にも取り組む。気象防災アドバイザー・健康気象アドバイザー・防災士など有資格。