■「直接的には役に立たないかもしれないが、そうではないことがあると伝える場」
(東翔太さん)「背表紙の文字が、他の書店にはないニッチなものが多く、興味をそそられて入ってみたのがきっかけ」
東さんは店の魅力はほかにもあると言います。

(東翔太さん)「杣谷さんに会って、最近あった面白いことを話す、寄り合いのようなスペース。SNSで常に人と繋がれるようになったが、信頼や温かみでは、人が遠くなった時代。ここでは忖度なして腹を割って話せる」
記者の経験を生かして、本の校正や雑誌の取材の仕事も掛け持ちする杣谷さん。今の時代だからこそ、本に触れることが大切だと話します。

(杣谷健太さん)「他者に感情移入する、想像するっていうことは、本から得られる大きなこと。数字だけでは測れないところはいっぱいある。確かに直接的には役に立たないかもしれないが、そうではないことがあると伝える場があった方がいい」
■読書会がきっかけ古書店主になった32歳「みんな良い人ばかりだった」

杣谷さんの店から直線でおよそ400メールのところにある古本屋「ブックスパーチ」。店主の諏訪田寛人さん(32)が、5年前に店を開いたのも「人とのつながり」からでした。