
人口減少やネット通販の拡大が進む中で、まちの書店が減ってきています。鹿児島県内で現在、登録されている書店は121店舗で、10年前のおよそ6割にまで減っています。また、県内43市町村のうち3割超で書店がありません。
書店が減り続ける一方で、あえて今、書店を開く人たちもいます。その理由とは?
■店名の「セルバ」は「密林」…知らなかった世界に分け入るイメージ
鹿児島市役所の近くに去年12月にオープンした書店「books selva」です。店主の杣谷健太さん、38歳。去年8月まで新聞記者をしていました。

(杣谷健太さん)「点字がついている絵本ですね。鹿児島では視覚障害の方を取材することが多かったが、『点字の本はありますか』と。自分で取材していたにも関わらず、並べる発想がなかった。気づかされた」
政治思想や海外文学、原子力など、本棚には杣谷さんが一つ一つ選んだ新刊と古本が所せましと並んでいます。店名の「セルバ」は、スペイン語で「密林」の意味。本を読んで知らなかった世界に分け入るイメージを重ねました。
三重県出身の杣谷さんが、全国紙の記者として鹿児島に赴任したのは9年前。市民運動に関わる人たちとの出会いが転機となりました。