東京・調布市の消防研究センター。分析を進める篠原雅彦主幹研究官。炎の横から風を送る実験映像でメカニズムを説明します。

左に青い炎(上段)横から見ると火災旋風が立ち上がっている(下段)上から見た画像。竜巻のような渦が分かる


(篠原雅彦・主幹研究官)「関東大震災で被服廠跡を襲ったのは、直径30メートルぐらい、高さ50〜200メートルぐらい。大気の中に渦はいくらでも巻こうとしている性質がある。それが火事があると性質を集めて一点で上に巻き上がって火災旋風になる」

野焼きで発生した火災旋風です。旋風は火を伴う場合と、伴わない場合があり、火があれば火の粉を飛び散らせ、火がなくても移動を続け被害を拡大させます。


(篠原雅彦・主幹研究官)「物が吹き飛ばされる、木が折れて吹き飛ばされる、そういうのが人に当たる、人自体が吹き飛ばされる。さらに悪いことに、火の粉を吹き飛ばして、ものすごく燃え広がるスピードが速くなる。火が入っていない火災旋風だと、それが遠くまで移動してくる。風の害は竜巻と一緒」


■関東大震災の被害 「予見」していた学者がいた


犠牲者のうち、9割が焼死とされる関東大震災。危険性を震災まえから指摘していた研究者がいました。東京大学・助教授で鹿児島市出身の今村明恒です。


震災18年前の1905年、今村は今後50年間に東京で巨大地震のおそれありとして、予想される被害を示していました。