唯一の詩集『夜の聲』

(記者)「藤田の唯一の詩集『夜の聲(こえ)』です。彼女自身が編集・出版しましたが、生前、手にすることはなく、完成した本が届いたのは、通夜の席だったといいます」
作品は、20歳前後で書かれたとは思えないほど難解で陰を帯びています。

(朗読「夜の聲」)「夜の聲(おまへ)は何故こゝまてやつて来た。おまへの咳を聞いてゐると私はたまらなく寂しくなる」
(林山鈴子さん)「姉に文才があると分かったのは台湾の小学校(のコンクール)で1等になったとき」

18歳離れた妹の林山鈴子さんです。去年秋に亡くなりましたが、生前に撮影された動画で姉・文江との思い出を語っていました。
(林山鈴子さん)「私には優しかった。『オルガンを弾いて』と言ったら『荒城の月』をずっと弾いてくれた」