4歳の永野蒼君は、生まれつき“水頭症”という病気があります。母の夏帆さんは妊娠中「どうしたらこの子が健康だったのか」とふさぎ込みましたが、蒼君自身が起こした奇跡のような成長を目にし、共に生きる決意を固めました。一歩ずつ、でも確かに成長を続ける蒼君と、愛にあふれた家族の日々です。

10月28日。高知市の県民文化ホールでドラマ「らんまん」のコンサートのリハーサルが行われていました。

会場に入ってきたのは、4歳の永野蒼(ながのあおい)くんと、お母さんの夏帆(かほ)さん。少し緊張した様子で歩みを進めています。

コンサートの公演は翌日。前日のリハーサルに障がいや病気などでケアが必要な医療的ケア児の家族の会、「結人(ゆいと)」が招かれたのです。

蒼君の病気は、「X連鎖性遺伝性水頭症」。妊娠中、病気を告げられた母は、「この子を育てることはできない」という気持ちにさいなまれました。