遠いようで意外にアクセスがしやすい、富山の旅、最終日です。これまで古くからの街並みや立山黒部アルペンルートなどをめぐってきましたが、富山と言えば・・・白えび、有名ですよね。世界唯一の漁場で船から漁を見学できるんです。世界遺産の合掌造り集落にも行ってきました。

富山県の南西部に位置する南砺(なんと)市。世界遺産五箇山の合掌造り集落です。

(南砺市 交流観光まちづくり課 前寺百合香さん)
「五箇山の合掌造りと言っても、相倉(あいのくら)集落と菅沼(すがぬま)集落の2つがあって、ここ相倉集落はだいたい20棟合掌造りがある地域です」

(木岡アナウンサー)
「かやぶきの屋根ってほんとに分厚いんですね」

(南砺市 交流観光まちづくり課 前寺百合香さん)
「仏様にお祈りするときのこの(腕の)形が由来になって『合掌する』というので合掌造りと言われている。※諸説あり」

「この形にすることで雪が落ちやすい、あと涼しい」

このあたりは盆地になっているため、夏は山に囲まれた青々とした景色が。冬は雪が積もって幻想的な景色が楽しめます。

(南砺市 交流観光まちづくり課 前寺百合香さん)
「ここが一番最初の合掌造りと言われているところで、手前の建物が一番最初の造りと言われてて」

(木岡アナウンサー)
「壁もかやになっているんですね」

合掌造りは江戸時代後期に建てられた、屋根が地面に接したこの形が原型で、その後現在の2階建てのかやぶきの民家に変化していったとされています。

古い建物は400年前に建てられていますが、現在も15世帯ほどがここで生活しています。民宿になっている建物もあるため、海外から宿泊で訪れる観光客も多くいます。

(デンマークから)
「これはとてもかっこいいです」

貴重な世界遺産でありながらも生活感がありどこかほっとするような景色が残る、相倉合掌造り集落でした。

(木岡アナウンサー)
「朝5時です。新湊漁港にやってきました。こちらの船で白エビ漁の見学に向かいます」

富山の海の幸と言えば「白エビ」。春から秋にかけて、船に乗って白エビ漁を見学できるんです。日の出ともに漁がスタートします。

実は白エビの漁場は世界で富山湾だけ。

3000メートル級の山のすぐそばに水深1000メートルの富山湾があり、その高低差のある地形により「天然のいけす」とも呼ばれる豊かな漁場となっています。

「かけまわし漁法」といい、袋状の網で囲んですくい上げます。

「けっこう仕掛け大きくて、広がったらだいたい100メートルくらい」

白エビがいる200メートルから300メートルの深さまで網をおろすため1回の漁は2時間近くかかります。

いよいよ網を引き揚げます。

きらきらと輝くエビは、確かに”富山湾の宝石”と呼ばれるだけありますよね。

(木岡アナウンサー)
「ぷりっぷり。料理で食べるのとはまた全然違います。おいしいです」

水揚げされた白エビはすぐ競りにかけられます。このあと一度冷凍して調理するため、獲れたてが食べられるのは、船の上だけなんです。

白エビをはじめ富山湾でとれた様々な海産物を味わえる富山市の寿司正(まさ)にやってきました。この道60年の大将。ネタには強いこだわりがあります。

(木岡アナウンサー)
「基本的には富山湾のものを出されている?」

(寿司正 店主 山下信夫さん)
「(富山湾の魚)しか使っちゃいけないコンセプト。県外産は使わない」

年間500種類ほどの魚がとれるという富山湾。お店では富山の新鮮な海の幸が常に20種類ほど揃っています。

(寿司正 店主 山下信夫さん)
「はいおまちどうさま。富山湾寿司です」

高知とは異なるネタばかり!気になるのが・・

(木岡アナウンサー)
「白エビの軍艦に巻かれているのはのりではなく昆布なんですね」

(寿司正 店主 山下信夫さん)
「富山県が昆布の消費量日本一ということでこだわって使っています」

江戸時代から北海道と大阪を行き来した貿易船「北前船」が昆布などを運び、富山に寄港していたことから、食文化に昆布が根付いたとされています。

(木岡アナウンサー)
「ほんとに甘いです。まわりのとろろ昆布がすごくごはんとなじむ。昆布に巻かれたお寿司初めて食べました」

9月に漁が解禁されたばかりのベニズワイガニも・・

(木岡アナウンサー)
「身がきめ細かいですね。カニの香りがふわっと…いいですね」

高知からは遠い印象があった北陸・富山。豊かな歴史や食文化を五感で堪能することができ、飛行機で地方と地方の距離がぐっと縮まったように感じます。

(ANAエアポートサービス 吉岡瑞希さん)
「羽田空港で空いている時間が長くありましたら、買い物や食事を楽しめる機会も十分に提供できます。遅延が発生して乗り継ぎ時間が短くなってしまう場合には羽田空港でも係員がついてご案内しますので、安心して乗り継ぎしていただけると思います。羽田空港を介して地方と地方がつながっていくことが素敵なことかと思いますので、旅行を楽しんでいただいて、移動がスムーズで快適なものになるといい」

秋の行楽シーズンもまもなく。少し足を延ばして、富山の魅力を感じてみてはいかがでしょうか。