高知市の寺で開創1300年を記念し襖絵(ふすまえ)と音響アートがコラボした体験型の展示が行われています。抽象画や庭園を目だけではなく耳も使って「体験」することができます。

展示が行われているのは高知市の竹林寺です。開創1300年を記念して寺に所蔵されている4作品の襖絵が展示されています。こちらは京都出身の近代日本画家=堂本印象(どうもと・いんしょう)が晩年に手がけた作品で、太平洋や瀬戸内海といった雄大な自然を抽象画で表現しています。抽象画による襖絵は日本で初めてと言われていて、竹林寺では9年ぶりの展示です。

今回の展示では、襖絵が置かれている書院のほか、竹林寺の境内でさまざまな「音」が聞こえてきます。こちらの音は、国内やドイツなどで活動する音響空間アーティストの及川潤耶(おいかわ・じゅんや)さんが手がけた作品です。耳をすませると、書院や庭園のあちらこちらに置かれたスピーカーから音が流れます。抽象画や庭園を目だけではなく耳も使って「体験」することができます。

(音響空間アーティスト 及川潤耶さん)
「例えば庭でゆっくり瞑想しながら音を聴くのもいいし、あとは絵画を見ながら堂本の抽象画を見ながらゆっくりするというのもいいなと。今みたいな鐘の音も自分の作品ではないんですけどナチュラルに入ってくる『作品はここにあります』ということではなくてより環境と呼応するような体験を感じてほしい」

(五台山竹林寺 海老塚和秀 住職)
「竹林寺といったら昔から高知の文化の一翼を担っていた。建物だってそう。庭園だってそう。そういったものはすべて昔からのもの。竹林寺のこれまでをちゃんと知ってもらいたい。そしてこれからのお寺のこれからの文化の歩みを皆さんに伝えたい」

この展示は4月9日まで高知市の竹林寺で開かれています。