大正2年=1913年から稼働している、四国電力最古の水力発電所で、このほど、老朽化に伴う大規模な改良工事が行われました。導入されたのは、少ない水でも効率よく発電する水車や、樹脂製の管。100年以上の歴史がある小さな発電所は、新たな設備を備え、人々の暮らしを支え続けます。

(野中麟太郎記者)
「こちらの建物、実は大正時代から使われている発電所なんです」

高知県安芸市の名村川発電所は大正2年=1913年から稼働している四国電力で最も古い現役の水力発電所です。

施設のあちらこちらに“時代”を感じさせる物が残っています。

こちらは、発電所の着工時期に書かれたと思われる文書を写したもので、当時の電気代が1つの電球につき、1か月で「1円40銭5厘」だったと記されています。

これまで設備の更新を重ねながら、年間およそ1180世帯分の電力をまかなってきた名村川発電所ですが、1957年から使っていた水車が、摩耗などによって継続使用が困難となり、2026年1月から大規模な改良工事を行いました。

今回、最新の「ターゴインパルス水車」が新しく導入され、最大出力は30キロワット向上。これまでの水車と比べ、水量が少なくても効率よく発電でき、川の水が少ない時期でも、しっかり電力をまかなえるということです。さらに水車にはベアリング(軸受)の温度や振動を測るセンサーがついていて、離れた場所からモニタリングでき、トラブルが起きる前に兆候を見つけることもできます。

(四国電力 高知支店 竹﨑良祐さん)
「改良工事で基礎を作成する際、実際に地面を掘ると、想定以上に地盤がもろく、追加で地盤の補強工事などが必要になって、工程の調整などが発生しましたので、そこは苦労した点」

今回の改良工事では、電気設備だけでなく、水を流す管などの土木設備も更新されました。

こちらは水車まで毎秒最大500リットルの水を流す「水圧管路」です。これまでは鉄製の管が使われていましたが、この度、露出している管としては四国電力では初となる樹脂製の管を採用しました。樹脂は鉄より軽いため施工しやすく、錆の心配もないということです。

(四国電力 高知支店 甲把浩基さん)
「先人の方々が築いてきたものを今回、取り替えできる。昔からある設備をまだ使えるということは、環境的にも優しいと思っていて、すごく利点がある」

レトロな雰囲気を残しながらも、最新の設備を兼ね備えた「名村川発電所」。今回の工事により、年間の発生電力量は10万kWh増加し、より多くの家庭へ、高知のクリーンな電気を届けられるようになりました。