1人でも多くのがん患者の症状緩和に向け、病院の垣根を越えた放射線治療が始まっています。日本で初めてとなる取り組みです。

高知大学医学部附属病院と高知赤十字病院、高知医療センターは共同でがん患者が病院が休みの日でも、かかりつけ医でなくても放射線治療を受けられる体制「緊急照射の輪番制」を行っています。放射線治療に特化した病院間の連携は、全国で初めてのことです。

▼高知大学医学部附属病院 放射線治療科 木村智樹 医師
「骨の転移で突然麻痺が起こった方がどこに行っていいかわからない。そういう場合は緊急で放射線治療・手術をする必要があるんですけど、そういった方がすぐアクセスできるようにこういう体制を去年4月から開始した」

骨の転移での麻痺は症状が出てから数時間で進行することがあります。早期の治療が大切ですが、祝日などは対応できない医療機関もあり、治療時間のロスがありました。輪番制が始まったことで早期に治療ができ、患者の症状を早く緩和できることが期待されています。

▼高知大学医学部附属病院 放射線治療科 木村智樹 医師
「麻痺の症状が出てから24時間から遅くても48時間以内に放射線治療・手術をする必要があってなるべく早めにというのが非常に大事」

この仕組みを発案したのは、30年以上放射線治療に関わる高知大学医学部附属病院放射線治療科の木村智樹(きむらともき)医師です。

▼高知大学医学部附属病院 放射線治療科 木村智樹 医師
「(県内は)放射線治療の施設が5施設しかないですし、そこに専門で務めている放射線治療専門医がいる施設が2施設しかない。若手をどんどん増やしてどこでも一定のクオリティの放射線治療ができるようにというのが一番の目標ですね」

加齢に伴い罹患率が高まるとされる「がん」。高知県内では1984年以降、「がん」が死亡原因のトップとなっているほか、高齢化の加速に伴い、県内のがん患者は増加していく見込みです。県内の現状を踏まえ、木村医師は今後さらに放射線治療が重要になってくると考えています。

▼高知大学医学部附属病院 放射線治療科 木村智樹 医師
「厚労省の試算で2040年、今から14、5年後までに放射線治療を受ける患者さんが今から2割くらいは増えると言われてます。より放射線治療というのが重要になってくるかなと」

木村医師は、この制度を普及させ、一人でも多くの患者を救っていきたいと話します。

▼高知大学医学部附属病院 放射線治療科 木村智樹 医師
「放射線治療を知ってもらって患者さんにも、放射線治療を普段されてない病院の先生方にも放射線治療のことを知ってもらって、アクセスしてもらって治療ができるような環境ができればいいかなと」