2025年、ボクシングの全日本新人王に輝いた市原涼(いちはら・りょう)選手。8戦連続KOという強さをほこる彼は、すでに、世界を見据えていました。

1月20日、大寒の午後7時半。

カメラのレンズが曇るほど熱気のこもった場所があります。高知市の黒潮ボクシングジム。県内唯一のプロボクシングジムです。ここに、デビューから8戦負けなしの選手がいます。2025年12月、全日本新人王に輝いた、高知市出身の市原涼選手です。

(市原涼 選手)
「いやぁもう『うれしい』この一言ですね。“なりたかったものに”ようやくなれた。とりあえずスタート地点に立ててうれしく思います」

市原選手がボクシングを始めたのは2022年。全日本新人王(2020)、福永宇宙(ふくなが・そら)選手に誘われたのがきっかけです。2023年のデビュー戦では、得意の右ストレートでダウンを奪うと…

「勝者~市原~涼~」

武器は、パンチ力。ガードの上からでも相手にダメージを与えます。市原選手はデビューから7戦連続でKO勝ちを収め、2025年12月、東京で行われた全日本スーパーバンタム級新人王決定戦でTKO勝ちし、全日本新人王に輝きました。(県勢では福永選手以来2人目)

実は市原選手、12月の試合で右ストレートを放った際、人差し指の付け根を骨折していました。現在は治療中で左中心の練習に取り組んでいます。

(Q.今、何をやられているんですか?)
「左のジャブです。基礎を。左のジャブが勝利につながってくるので」
(Q.相手がいなくても、汗をかかれて、かなり疲れるんですね)
「疲れますね。左だけでもやっぱり、全力で打ったら疲れます」

左のみのミット打ちでも、ジムに重いパンチの音を響かせます。

(黒潮ボクシングジム 小川竜司 会長)
「相変わらず強い。本当に強いです。左だけなんで自分も左だけで持つので肘も持っていかれるし、右も強いですけど左も本当に強いです」

(2020年度全日本新人王 福永宇宙 選手)
『(相手に)効いたという時にしっかり仕留めきる能力、KOする時は“カン”があると思うので、それは日本トップクラスだと思います。自分もうかうかしていられないなと感じています」

デビューから8戦、全てKO勝ち。完璧な結果に見えますが、市原選手はその時々で、自分より格上の選手とスパーリングをしてきました。

(市原涼 選手)
「もう、練習でボコボコにされてますんでね(笑)。練習でいっぱい負けを知っているんで。ダメだったことをしっかり直す、『これじゃダメだ』と思えたことで勝てているんで」

負けを知っているからこその、いま。市原選手は2026年、23歳以下の頂点ユースチャンピオンを狙います。ただ、見据えるのはさらに先です。

(市原涼 選手)
「“世界”とりたいですよね。獲ります!…“獲りたい”じゃなくて。もちろん獲りに行くつもりではありますけど。そんな簡単じゃないと思うので」

「最強」を求める市原選手の挑戦は、2026年、新たなラウンドへ突入します。