全国47の都道府県で唯一、高知県では、出産の際の「無痛分娩」ができていません。背景には「医師不足」などがあり、高知県で出産しようとする妊婦にとっては、「無痛分娩という選択肢が無い」のです。この状況を打破し、高知県で「無痛分娩」の医療提供体制を構築しようとする取り組みが、始まることになりました。

「無痛分娩」は、麻酔で陣痛などを緩和して出産する方法です。アメリカやフランスでは"主流"とされている出産方法で、その普及率は、アメリカで「7割以上」、フランスで「8割以上」となっています。
一方、日本は、無痛分娩の“後進国”と言われています。日本産婦人科医会の調査によりますと、全ての分娩数に占める「無痛分娩」の割合は、5年間で2倍近くに増えたものの、2023年の時点で11.6%にとどまっています。
背景には、麻酔科医が不足していることや、健康保険の対象ではないため費用が「全額自己負担」となること、そして「お腹を痛めて産むのが当たり前」という日本人特有のイメージがあると言われています。

ただ、この「5年間で2倍増加している」状況について、医療現場からは「無痛分娩のニーズが、日本で急速に高まっている」という声が聞かれています。

◆高知大学医学部 麻酔科学・集中治療医学講座 河野崇 教授
「『無痛分娩』は、急速に全国で広がっています。『世界では当
2025年1月には、東京都が「10月から無痛分娩の費用助成制度を始める」と発表し、大きな反響がありました。最大で10万円が助成されるもので、こうした動きもあって、いま「無痛分娩」への関心やニーズが高まっているといいます。
しかし、高知県で出産する妊婦には、「無痛分娩という選択肢が無い」のが現状なのです。