サッカーJリーグのトップ野々村芳和(ののむら・よしかづ)チェアマンが、濵田知事を訪問し高知ユナイテッドSCなど全国60のJリーグクラブがそれぞれの地域で輝くために協力を呼びかけました。

野々村チェアマンは現役時代、ジェフユナイテッド市原、コンサドーレ札幌でプレーし、引退後はコンサドーレ札幌の運営会社の社長、会長を歴任。2022年3月にJリーグの第6代チェアマンに就任しました。野々村チェアマンは、2024年、高知ユナイテッドSCのJ参入に向けて1万人を超える観客が訪れたことについて、「小さなクラブながらその空気感を作ったことは実際にすごいこと。これからもっともっと成長するのでは」と期待感を示しました。

(Jリーグ 野々村芳和チェアマン)
「今以上に、今の10倍も100倍も地域にとってなくてはならない存在になっていっていただきたい。それが本当に各地域でうまくいくと、スポーツっていいな、サッカーっていいなと思う人たちが増えて、より笑顔も増えていくはずなので、そんな存在に、まず高知で高知ユナイテッドSCには着実に、少しずつでもいいから成長していっていただくということが一番かなと思います」

野々村チェアマンは、12日、テレビ高知も訪れ、インタビューで高知への思いなどを語ってくれました。

Q.高知との縁は?

(野々村芳和チェアマン)
「コンサドーレ札幌在籍時、2001年の開幕戦を、高知でやったんですよ。その後はなかなか(高知に)来られなかったんです」

※2001年に春野陸上競技場で行われた、コンサドーレ札幌vs柏レイソルの開幕戦。この試合は、高知県で行われた初めてのJリーグ公式戦だった。試合はコンサドーレ札幌が、FWウィルの2ゴールの活躍で、2-1で勝利。

(野々村芳和チェアマン)
「でも、高知ユナイテッドSCが“Jクラブ”になったので、また高知に来る機会は増えると思っています」

Q.高知ユナイテッドSCのJ3参入について

(野々村芳和チェアマン)
「地域の子供たちは、“世界を見ながら”サッカーをしているわけですよね。“世界”を見る時に、地元の高知ユナイテッドSCが“入り口”になる。…っていう感覚を持つことになっていく。そういう意味でも、高知のJ3参入は、すごくよかったなと思っています」

Q.そんな高知が3月9日の金沢戦で「Jリーグ初勝利」を挙げた

(野々村芳和チェアマン)
「勝つことは、簡単じゃないんですよ、本当に…。やっぱり、『下のカテゴリーから上がってくる』っていうこと自体、すごいことです。けど、『1つ上のカテゴリーで勝つ』って、本当に難しいことなんです。『もっと上に行きたい』という思いは、すごく大きなものがあると思うんですけど、本当に簡単じゃないんで、めちゃくちゃ“大きな1勝”だと思います」

Q.もちろん「勝利」が求められるが、今後の高知ユナイテッドに求められることは

(野々村芳和チェアマン)
「地域のためにどれだけできるか。…っていうことが、すごく大事だと思うんです。多くの人が注目するのは『勝ち負け』になるのかもしれないけれど、Jクラブは特に、『勝ち負け』以外に『地域課題を、一緒に、地域のみなさんと解決していく』ことが求められる。そうした取り組みを、全国60クラブがみんな一生懸命やっているので、『サッカーにそんなに興味は無かったけど、別の取り組みで、高知ユナイテッドSCが気になる』っていうような人たちが増えていくと、単純に、“仲間が増える”。高知県で、高知ユナイテッドSCが『圧倒的な存在感があるよね』っていう存在になり、年月をかけて“成長”していくことが、一番大事なのかなと思っています」

最後に、野々村チェアマンから高知県民にメッセージが。

(野々村芳和チェアマン)
「Jリーグ参入、おめでとうございます。『勝つ』って、本当に難しいことだと思うんですよ。僕もその世界にいたので、よくわかるんですけど。ただ、やっぱり、『地域の人が勝たせることができる』のが『サッカー』だと思うので…。ぜひ“仲間”になっていただいて、高知ユナイテッドSCが“勝てる”ような色んなサポートを、気にかけていただくだけでもいいので、一緒に、スポーツが、サッカーが、この地域で育っていくのを“お手伝い”いただきたいと思います」