老朽化が進む「高知商工会館」が新築されることになり、起工式が行われました。2026年の完成予定で、「環境に配慮した地域の防災拠点」となることも期待されます。
「高知商工会館」は、1965年に建設され、これまで講演会や研修の会場を提供するなどして県内の中小企業の発展を後押ししてきました。20日は新築に伴う「起工式」が行われ、関係者が玉串を捧げて工事の安全を願いました。

現在の建物は地上5階建て・地下1階建てで、建設から60年ほどが経過しています。20年ほど前に1度耐震補強工事を行いましたが、それ以降も雨漏りやひび割れなどが発生し、修繕費に1億2000万円ほどかかってきたということです。さらに、去年の耐震診断で「震度5強の揺れに耐えられない」ことが判明し、新築が決まりました。

(京面龍太郎アナウンサー)
「あちらが、現在使われている古い建物です。新しい高知商工会館は、こちらの駐車場となっている場所に建設される予定で、建物が建つ場所には、このように白いロープで枠が作られています」
新しい建物は、地上5階建て。総工費およそ13億円で、2026年3月末に完成予定です。貸会議室や相談室が設置されるほか、4階に高知商工会議所が入り、3階と5階はテナントとして貸し出されます。屋上に110枚の太陽光パネルが設置されるなど、建設から解体までの“サイクル”を通して二酸化炭素の排出量を削減する工法や設備が導入されます。また、津波で2mほどの浸水が想定されるこのエリアでの「津波避難ビル」にも指定される予定で、災害時には地域の避難・復興の拠点にもなります。
(高知商工会議所 西山彰一 会頭)
「長年の歴史が刻まれた高知商工会館が、また新たに歴史を引き継いで生まれていくことを、非常に感慨深く思い、また、これからの地域社会がさらに豊かになっていくことを願っています」
工事は11月中に始まり、2026年の完成後に商工会議所の引っ越しや古い建物の解体が行われ、その年の10月末に、すべての工事が終了する予定です。