初夏においしく食べられるみかん、「なつみ」の収穫・出荷が高知県香南市でピークを迎えています。2024年は“表年”で去年より多い出荷量が見込まれています。

香南市では、5人の生産者が今が旬の柑橘「なつみ」を栽培していて、このうち野市町の村山博行(むらやま・ひろゆき)さんのハウスでは、連日、手作業での収穫が続いています。

45年ほど前、2つの柑橘を交配して山口県の農園で誕生した「なつみ」。酸味が強いため、収穫までのおよそ1年間は、木に実らせた状態で完熟させます。水やりを上手く調節することで甘さが増すといいます。

(京面龍太郎アナウンサー)
「みずみずしいですね。口の中に入れたらふわっと甘さがくるが、その後にほんのり酸味もある。これから暖かくなる時期に、ちょっと爽やかさが感じられて、いいですね」

年によって、収穫量の増減=“表”と“裏”がはっきりする柑橘だといいますが、今シーズンは、甘さが増す去年9月ごろから日射量に恵まれたことで“表年”となり、去年より10トン多い35トンの収穫を見込んでいるということです。

(生産者 村山博行さん)
「(今年は)酸の抜けもよく、糖度もしっかりと乗っているので、味が濃くなっている。なかなか良い仕上がりになっている。酸味があるので、少し暑い日、汗をかいた日に食べていただくと、身体もすっきりすると思う」

収穫は4月中に終わる予定で、5月中旬まで県内の量販店などで販売されるということです。

ところで、9日の県内は朝から強い風に見舞われ、各地で被害も出ました。取材中も、村山さんのハウスは強風でビニールが破れ、大きな“穴”が空いてしまいました。

村山さんによりますと、「なつみ」は水やりの調節が難しく、雨に濡れると品質が落ちてしまうため、収穫は一旦中止し、ハウスの修復を優先させるということです。

また、近くのハウスでもビニールが破れる被害が相次ぎ、生産者が修復作業に追われていました。