精神状態が不安定になった母・佳寿美さん「なにをやるのもしんどい」

不規則な生活などによるストレスから、不眠の症状を感じるようになり、2011年9月に病院を受診した母・佳寿美さんは、その後「うつ」「双極性障害」と診断された。精神状態に波があることから、2週間に1度は通院していたという。

証拠として提出された医師の診察記録には「仕事上のストレスでトラブルになる時がある」「不眠、焦燥(しょうそう)から大声を出したり、物を壊そうと思うことがある」などの症状が残されていた。

2015年には、飲酒量が増加。
「疲れやすいが仕事には行ける」「人間関係にストレス」「過食と嘔吐」などの症状を確認している。

そして、2018年の記録には、症状悪化を伺わせる内容が記載されていた。
「何をやるのもしんどい」「車で突っ込んだら楽になれるかと思った」

さらにこの時期、佳寿美さんの両親のガンが相次いで明らかとなっている。

2019年に優香さんが大学に進むと、佳寿美さんの看病と介護の負担が増したという。

2021年。
「死にたくなったり、朝から強い酒を飲んだりするようになった、止められない」と医師に訴える一方「夫に当たってしまうことがあるが、夫がいるから頑張る」とも話している。

7月、佳寿美さんの母親が闘病の末、死去。
9月の診察記録には「あまり眠れない。ついつい長々と酒を飲んでしまう」

事件の半年前、2022年2月の記録には「まずまず安定」。
翌3月には「良かったり悪かったり、すぐ腹が立つ」。

ここまでの診察記録には、宗武被告に向けられた直接的な不満は見当たらなかった。