愛媛県の無形民俗文化財で400年の伝統を誇る「大凧合戦」の開催を前に16日、新生児たちの名前が「出世凧」に書き入れられました。パパ、ママ、じいじ、ばあばが一筆に込めた願いとはー。

縦4メートル、横3メートルの大きな紙に、我が子の名前を書き込んでいくお父さんやお母さんたち。「出世凧」への名前書きです。

「出世凧」は愛媛県内子町五十崎でこどもの日に開催される「大凧合戦」の行事のひとつ。

愛媛県の無形民俗文化財で400年の伝統を誇る「大凧合戦」は、生まれてきた子どもが元気で健やかに成長するようにとの願いを込め、凧に子供の名前を書いて空高く舞いあげたことが始まりとされています、
「出世凧」は、そんな「大凧合戦」のルーツを現代に引き継いだもので、16日に開かれた名前書きには、内子町内外から約100組の家族が訪れました。
暖和(のわ)ちゃん(0)の母・田中明穂さん(28)
「どうしても書きたくて里帰りした。娘にはすくすくと元気に育ってもらえたら」

凧に名前を書き込む前に、入念に練習を繰り返していたのは、中川翔太さん(25)。去年7月に生まれた長男・碧仁(あおと)くんと妻の蕗実さん(24)が見守る中、筆を握りました。
(中川翔太さん)
「元気に育ってほしいので枠いっぱいに書いた。この子の父親になったんだなと感じた」
栗田真帆ちゃん(0)の父・昌志さん(31)
「女の子だったら妻に書いてもらって、男の子だったら僕が書こうと思っていた」

・・・ということで、中学時代に書道を習っていたという妻の紗代さん(32)が したためた文字の出来映えは・・・

(栗田紗代さん)
「緊張して手が震えたけど、うまく練習通りできた」
(栗田昌志さん)
「きれい。すくすくと育つと思う」
矢野良平さん(60)は、先月12日に生まれたばかりの孫娘・村田絵菜ちゃんのため一肌脱ぎました。

(矢野良平さん)
「元気に育ってくれたら、それが一番」
こどもの日、4年ぶりに内子町五十崎の豊秋河原で通常開催される大凧合戦。今回は4枚の出世凧が、家族の、そして、地域の願いを乗せて、大空に舞い上がりそうです。
ちなみにイベントの実行委員会によりますと、ここしばらく、出世凧は5枚だったということで、少子化の影響はここにも表れています・・・








