日本航空がJR四国などとコラボし、愛媛県大洲市をめぐる新たなツアーを打ち出しました。地域の魅力再発見に向け様々な工夫を凝らしたという画期的なツアーの内容とは。

JR松山駅のホームにやってきたのは、観光列車・伊予灘ものがたりです。

今月2日に行われたのは、日本航空がJR四国や大洲市とのコラボで企画した新たな旅行プランのテストツアー。県内外の観光関係者20人あまりが視察に訪れ、大洲へと向かいます。ツアーには航空会社ならではの新しい試みも。

(車内アナウンス)「私は日本航空客室乗務員でJALふるさと応援隊愛媛県担当・飯田と申します」

普段は飛行機の中で働く日本航空の客室乗務員が、車内でのおもてなしに参加しました。このツアーが企画された背景には、大洲市が抱える2つの課題がありました。

観光需要が激減する「冬」に客を呼び込むこと、そして、アフターコロナを見据えた外国人観光客の取り込みです。
これらの解決に向け、大洲の持つ魅力を再発見するツアーを打ち出したのです。
沿線の住民たちによる厚いおもてなしを受けつつ、大洲市に到着した参加者たち。

まず訪れたのが…市内の中心部です。
古民家を改装した建物が軒を連ね、「伊予の小京都」とも呼ばれているエリアです。

古き良き日本家屋を全面に押し出すことで、外国人観光客の取り込みを狙います。さらに、肱川では。

(バリューマネジメント・石川穂乃香さん)「『寒さ』という懸念を解消して川のアクティビティを体験してもらうためにこたつ船を設置しています」

夏のう飼いシーズン以外はほとんど使用されない「渡し舟」を活用。こたつで温まりながら川下りを楽しめる冬ならではの新商品として売り出します。
テストツアーを終えた参加者は。

(愛媛DMO・鵜久森貴之さん)「(伊予灘ものがたりの)列車に乗っておもてなしをしてもらうことがこんなに嬉しいことなんだと思って迎える方も力を入れられたらと思った」

(西予市観光協会・坂嶋菜美さん)「お客様により満足してもらえるまちづくりが進んでいる印象を受けた今後も楽しみ」

(日本航空松山支店安部博史支店長)「愛媛県の道後温泉は非常に有名だが大洲となるとなかなか知名度が無いのも正直なところその需要を(観光資源に)付加価値を付けて取り込んで販促に務めていきたい」

日本航空では、来年度中にツアーを商品化し、国内外の旅行会社で販売したい考えです。