北海道の知床半島沖で、26人が乗った観光船が遭難した事故を受け、県内で観光船を運航する事業者も、安全対策の点検を進めています。

今治市で観光船を運航する「しまなみ」です。

(村上 秀人社長)
「我々観光船業者としては、とても他人事ではないというのが、率直な感想」

来島海峡の潮流や、点在する島々を間近に体験できるツアーが人気で、運航開始以来、国内外からの観光客およそ40万人が乗船しました。

知床半島沖で遭難した観光船は、強風や高波など、気象条件が整わない中、出航を強行した可能性があると指摘されています。

(城 健大呂記者)
「北海道での遭難事故を受け、来島海峡の観光船では、非常事態を想定した訓練が行われました。遭難した船から救助船へ乗客らが移動する想定です」

事故を受けて「しまなみ」では、観光船の船長らが集まり、必要な安全対策の再確認が行われました。

「(北海道の事故は)非常に痛ましく、大変な事だと思う」

この会社では、普段から、岩場のある浅瀬など危険な場所に船が近付かないように決めているほか、悪天候などの場合は、運航を取り止めることが定められています。

(訓練の様子)
「『くるしま』の機関室が浸水して救援を求めているので、船長は(救助の)船を出すようにエンジンを掛けてください」

沖合いで動けなくなった船から乗客を助け出す想定で訓練も実施。
万が一の事態に備えて手順を確認しました。

「去年、おととしと、非常に新型コロナで苦しんでいる観光業界だが、ことしは若干動きが違うのかなと思っていた」

客足がようやく戻り始める中、ゴールデンウィーク目前に起きた今回の惨事。
「しまなみ」の村上秀人社長は、現時点で、予約のキャンセルはないとしながらも、観光船業界への影響を懸念しています。

(村上 秀人社長)
「こういった大変な事故のあとだが、我々は当然、安全を第一に、いつも通りに安全第一を心掛けて、全てにおいて安全最優先の姿勢は全く変わらないので、ぜひ安心して楽しみに来て欲しい」