コンクリートアートという、珍しいアートの展覧会が愛媛県松山市で開かれています。手がけたのは記憶障がいなどと向き合うアーティストです。
松山市二番町にあるサロンに並ぶのは、天然の染料「藍」を混ぜたコンクリートを使い、コテで描いたアートおよそ40点。
制作したのは松山市内に住む佐川陸さん22歳。
16歳だった高校2年生の夏休みに脳出血を発症し、現在も右半身のまひや記憶障がいなどと向き合っています。
コンクリートアートとの出会いは2024年のことでした。
(コンクリートアーティスト・喜田智彦さん)
「どちらかといえばこちらが僕はできないので、すごいなと思って、陸さんしか出せない。僕が逆に教えてもらっている」
父親の功二さんと共通の知人を通じ佐川さんの存在を知った、徳島在住のコンクリートアーティスト喜田智彦さんが、彼のSNSを見たことがきっかけでした。
(コンクリートアーティスト・喜田智彦さん)
「愛媛のイベントに行っていた。陸さんと家族で。その中でテクスチャ―アート(立体的な抽象画)をしてみたという投稿だった。お父さんの投稿文の中で『これから陸の就労のことも考えると色々なことを模索していかなければだめだな』という文があったので、“私にできることがある"」
作品に使う「藍色」が、脳卒中啓発のシンボルカラーであることにも縁を感じたといいます。
佐川さんは現在、リハビリや障害福祉サービス事業所で働きながら、左手一本で精力的に作品を生み出しています。
(佐川陸さん)
Qどういうイメージで作品をつくっているのか
「ある程度のことは頭の中で考えて描き始めるが、色を塗り始めたら直しがきかないので、あとは無心で描く」
活動を支援する父親の功二さんは「芸術を通じて社会とつながる機会を持たせたい」と、息子の未来に期待を膨らませています。
(佐川さんの父・功二さん)
「創作を通じて色々な人との交流や、作品の購入者が喜んでくれるので、社会とつながるため、アートがひとつの切り口になって息の長い取り組みになれば」
この「RIKUBlue展」は8月末まで、松山市二番町の自然療法サロン「ヴァンサンカン・パンセ」で開かれています。23日の日曜日には、佐川さん本人も会場で来場者を迎える予定です。








