愛媛県西宇和郡伊方町沖で、2日から行方不明となっていた70歳の漁師の男性が、3日朝、遺体で発見されました。

2日から行方不明となっていたのは、伊方町塩成に住む漁師の寶榮重松(ほうえい しげまつ)さん(70)です。

宇和島海上保安部によりますと、寶榮さんは2日の午後5時頃、妻に「塩成の東側にある岩場へ、ふのり(海藻)を採りに行くため帰りが遅くなる」と連絡していました。

しかし、予定していた時刻を過ぎても寶榮さんが帰宅しないため、心配した息子が午後7時54分頃「父親の小型船が帰ってこない」と海上保安庁に通報しました。

通報を受けた宇和島海上保安部は、巡視艇「おいつかぜ」を現場付近に向かわせ、捜索を開始。

2日夜の現場付近の天候は晴れ、視界は良好でしたが、風がやや強く、約10メートル吹いていたということです。

通報からおよそ3時間後の2日午後10時55分頃、巡視艇「おいつかぜ」が、行方不明となっていた漁船「宝栄丸」を、伊方町の女子鼻灯台から西方およそ3700メートルにある岩場で発見しましたが、船内に寶榮さんの姿はありませんでした。

海上保安部は、巡視艇「たかつき」や広島航空基地所属のヘリコプターも投入し、寶榮さんの行方を捜していましたが、その後、夜が明けた3日午前7時12分頃、漁船で捜索していた地元の消防団員が、船が見つかった岩場の近くの海上で、うつ伏せの状態で浮いている寶榮さんを発見しました。

寶榮さんは巡視艇「おいつかぜ」に引き上げられ、近くの塩成漁港に搬送されましたが、午前8時15分頃、消防の救急救命士により死亡したと判断されました。

宇和島海上保安部は、事故の詳しい原因について調査を進めています。