愛媛県今治市の山林火災、延焼が続いています。
発生から丸2日が経ち、焼損面積は午後4時時点で214ヘクタール以上となっています。また避難指示が出されている区域では家屋への延焼も確認されました。
25日午前5時半ごろには、広い範囲で真っ赤な炎が激しく立ち上っているのが確認されました。
(山田祐也アナウンサー)
「午前10時半です。一度は炎の勢いが収まっていましたが、徐々に風が強くなってきて、再び住宅地に近い場所で激しく燃えています」
今治市の山林火災は発生から丸2日が経ちましたが、現在も鎮圧の見通しは立っておらず、消防や自衛隊による消火活動が続いています。
今治市によりますと、焼損面積は午後4時時点で214ヘクタール以上となっていて、1993年に旧土居町で145.2ヘクタールが焼けた山林火災を上回り、県内では平成以降で最悪の被害となっています。
午後4時ごろには、今治市桜井地区の家屋から激しい炎が。
また、JR伊予桜井駅近くでも…。
(TYS・安達誠リポーター)
「今住宅が燃えていますが、火の手は線路まで近づいています」
草木にも飛び火したのか、線路沿いでも燃え上がっていました。
JR四国によりますと、沿線火災の影響で伊予西条駅と伊予北条駅の間で運転を見合わせているということです。
別の場所でも、空き家とみられる建物が焼けました。こちらも飛び火したと見られます。
(近くの住民)
「こんなに身近に火事は初めて。向こうからこちらに飛び火するなんて思っていなかった」
炎は住宅地にまで迫り、住民が自ら消火にあたる姿も見られました。
また、午後0時半ごろには今治市内のおよそ1万6000戸で停電が発生しました。山林火災の影響と見られています。
信号なども停まり、警察官が道路上で車の誘導をする様子も見られました。
現在も今治市と西条市のあわせて3765世帯、7342人に避難指示が出されていて、こうした中、避難所の1つ、朝倉公民館では、ボランティアによる炊き出しが行われました。
ーー何食分ぐらい作るんですか?
(ボランティア)
「80人から100人ぐらい」
地元の農家から寄せられた野菜を使った鍋料理や、おにぎりなどが避難者に振る舞われました。
(避難者)
「美味い。ありがたい」
(ボランティア)
「皆さんが少しでも安心できるように、温かいものを食べて安心できたらいいなと思っています」
山林火災の影響は観光施設にも及んでいます。現場からおよそ2キロ離れた宿泊施設では…
(休暇村・徳増達朗営業課長)
「きのうは満室だったが、数件キャンセルになっている。緊急事態なのでキャンセル料はいただいておらず、また利用してもらえるようお願いしている」
25日の時点で宿泊予約5件と、3件の宴会が既にキャンセルされたということです。
県によりますと、地上では延べおよそ1300人態勢で、空からは自衛隊と自治体のヘリコプター7機で25日も消火活動が続けられました。
日没後は、上空からの消火活動は一旦中断され、夜間は、消防が延焼を食い止めるための警戒を続ける予定です。