愛媛県西予市の市立病院など、3つの施設の管理・運営が4月から民間委託されるのを前に、住民への説明会が27日、野村地区で開かれました。参加者からは医療の機能低下を懸念する声などがあがりました。
西予市は、経営悪化や医師不足などを理由に、4月から2つの市立病院と介護施設の管理・運営を東京の公益社団法人に委託し、あわせて救急医療の態勢を集約します。
これによって、野村町にある野村病院では二次救急の機能が無くなり、入院患者の受け入れができなくなるということです。
野村地区で27日に開かれた説明会には、リモートも含めおよそ120人が参加し、はじめに管家一夫市長が「民間に委託することで医師や看護師の確保にもつながる」として理解を求めました。
西予市 管家一夫市長
「現場の厳しさは一層増していて、このままでは将来的に安定した運営は困難な状態になりつつあるのが現状」
その後、市の担当者から、運営状況を評価する外部組織を設置することや、野村病院の入院患者を宇和町にある市民病院に搬送するスケジュールなどが示されました。
また、医師の指示によって、野村病院ではなく市民病院に通院する場合などに、タクシーなどの費用の半分を市が補助する新たな制度が説明されました。
これに対し、参加者からは…
参加者
「もしもの時に救急隊がいけないということはないか」
市の担当者
「受け入れ態勢になかったら、今までもそうだと思うが、近隣の病院に搬送することになるかもしれない」
参加者
「医師、看護師、患者に何も言わずに市長さんひとりで勝手にこれを進めたでしょう。一言でもこういうふうにやりたいと思うがどうですか?という話をしてくれたら、こんなには揉めなかった」
また、病院の職員からは、待遇の悪化による離職者の増加を心配する声も。
野村病院の職員
「現給保障がなくなったらさらに退職が予想される。そんな中でも委託先の地域医療振興協会から足りなくなったら派遣してもらえるのか」
医療の機能低下への懸念や、市の説明不足を指摘する声が相次ぎました。
西予市立病院などを守る会 河野修三会長
「病院をみんなのためにいい形で残していけるように、しっかり見守っているから、振興協会との協議もそのあたりを疎かにしないように責任をもって進めてほしい」
この説明会は、1月末までに市内5か所で開かれ、市は寄せられた意見について検討すると話しています。