去年9月、愛媛県松山市のホテルで母親の首を絞めて殺害したとして、承諾殺人の罪に問われている男の裁判が9日開かれ、脳出血で車イス生活になったことを悲観した男が母親と心中を図ろうとした詳しい経緯について、涙ながらに語りました。

承諾殺人の罪に問われているのは、松山市のアパレル会社役員・山田潤一郎被告(47)です。

起訴状などによりますと、山田被告は、脳出血で倒れ車イス生活になったことを悲観し、去年9月、松山市内のホテルの浴室で、2人で暮らしていた当時76歳の母親と心中を図ろうとして母親の同意を得て首をネクタイで締め殺害したということです。

9日に開かれた裁判で、検察官から犯行の経緯を問われた山田被告は「母親から『死にたい』と言われ、最初は冗談だと受け止めたものの、3回繰り返されたため母親が本気だと思った」と説明しました。

山田被告は、母親とのやり取りを涙ながらに振り返り、「最期に母親から『ありがとうね潤ちゃん。あっちで会おうね』と言われた」と述べました。

また、検察官から「親族に頼ろうと思わなかったのか」と問われたのに対し、山田被告は「相談しなかった」とし、「ヘルパーを雇おうと考えなかったのか」と聞かれると「思いつかなかった」と答えました。

一方、「自身の自殺に母親を巻き込んだのではないか」との質問に対しては、「絶対に違う。僕はお母さんが生きていたら生きます」と、語気を強めて否定しました。

次の裁判は、2月25日に開かれる予定です。