愛媛県宇和島市が建て替えを計画している伊達博物館を巡り、手続きが違法だなどとして市民の男性が建設の差し止めなどを求める訴えを、18日、松山地裁に起こしました。
訴えたのは「伊達博物館建替事業の見直しを求める宇和島市民の会」のメンバーの男性です。
新しい博物館は2028年度の開館を目指して、市が総事業費およそ60億円をかけ天赦公園内に建設する計画ですが、これまで2度実施された入札はいずれも不調に終わっています。
訴えによりますと、市は文化財保護法が義務付けている発掘調査の届け出を、県教育委員会に通知しないまま、今月下旬に予定される3度目の入札を行おうとしていて、違法だと主張しています。
(原告の男性)
「伊達博物館という文化財を大事にしようというために建てる建物が、それを守るための法律を無視して、あまりにもおかしすぎるんじゃないか」
また、入札が不調なのは、宇和島市が正式な手続きを経ていないリスクを踏まえ、業者側の見積が高騰したためだと指摘。
3度目で落札されれば、岡原市長に1度目と3度目の予定価格の差額、7億5000万円の支払いも求めています。
訴えを受け、宇和島市の岡原市長は「訴状が届いていないのでコメントを差し控える」としています。