こちらは東海道五十三次の起点、日本橋を描いた版画です。

魚屋が魚を売り歩く様子や旅人の姿が描かれ、活気を感じます。

こちらは小田原。「酒匂川かち渡し」の風景です。酒匂川には橋が無かったため、旅人が人力で川を渡っている様子が描かれています。

こちらは沼津です。右側に天日干しでカツオブシを作っている様子が描かれています。

そしてこちらは「三万両五十三次」の単行本です。
幕末の日本で、アメリカと条約を結ぶ許可を得るために三万両という大金を京都に運ぶという話なのですが、攘夷派の武士に追われたり、盗賊に狙われたりと、波乱万丈のストーリーで人気を集めました。

昭和初期の作品ですが、何度も刊行され、映画化もされた人気作品でした。
「銭形平次捕物控」と並ぶ、胡堂の代表作といってもいい作品です。
胡堂が目にした東海道の風景や、広重の作品の影響が感じられるということです。

野村胡堂・あらえびす記念館の主任学芸員、作山春香さんは「胡堂がいかに広重の魅力を感じていたか共感していただければ」と話していました。

この企画展は11月30日(日)まで、途中で展示内容を入れ替えながら行われます。