販売再開のこの日、陸前高田市のマイヤ高田店には、午前9時半の開店と同時に多くの人が駆けつけ復活した商品を買い求めていました。

(購入した人は)
(どなたが?)「孫です」
(孫が)「孫が待ってましたので。マスカットサイダー飲みたいって待ってましたので、はい」

中には大量に購入する人の姿も。

「以前と変わらないで」(懐かしい味でしたか?)「はい、楽しみに待ってまして」

レトロなグリーンの瓶とどこか懐かしい爽やかな味わいが魅力のマスカットサイダーの製造中止が発表されたのは2023年9月のことでした。

半世紀に渡って地域で愛され、東日本大震災で被災した後は神田葡萄園の復興を支えた大切な商品でしたが…

(神田葡萄園 熊谷晃弘社長)
「考えが出てきたのはやっぱりコロナがあってからですね。コロナで一度落ち込んで中でさらに追い打ちのように世界情勢が変わってきて、原材料であったり資材が上がってったていうところが上げ止まらず…」

神田葡萄園の熊谷晃弘社長は製造中止を決断。
マスカットサイダーは、2024年の2月末の最終日に作られた3000本を最後に製造ラインが止まりました。

(神田葡萄園 熊谷晃弘社長)
「ようやく終わるんだなという実感がわいてくると同時に我々もやっぱ少し寂しい思いを抱きながら製造に当たってきょう最後っていうことで。それでも最後の最後までお客さんに良い状態でお届けしてお客さんがよろこんでいただけることを想像しながら製造していこうと」