大船渡市の山林火災による市民生活への影響は長期化しています。
現地入りした医師に、避難所の生活での注意点や健康管理のポイントなどについて聞きました。

盛岡赤十字病院の一戸克明医師は、大船渡市赤崎町での山林火災発生から3日目の2月28日に大船渡市に入り、3か所の避難所を訪れました。

(一戸克明医師)
「(2月28日の時点は)3か所ともインフラが整っているというか、あまり切迫感はなかった。(避難者も増えて避難エリアも増加して環境も変わってくる?)かなり変わってくると思います」
避難所での生活で心配される疾患については。

(一戸克明医師)
「密閉された空間、密接な状態、密集の状態、いわゆる3密の状態なので、感染症が一番怖い。コロナだったりインフルだったりが一番危惧される。あとやっぱり環境が変わることで持病を持たれている方の悪化が心配される」
また車中泊などで避難を続ける人が警戒しなければならないのはエコノミークラス症候群です。

(一戸克明医師)
「下肢の静脈血栓症ということになる。生命にかかわってきますので、その辺が心配。その予防策として、弾性ストッキングとか、あるいは定期的にしっかり動くということが大事になってくる」
また広範囲に広がる火災の煙の影響も指摘します。
(一戸克明医師)
「微小粒子が発生するので、のどの違和感とかせき、アレルギーを持っている人はアレルギーの増悪ということも考えていかなければならない。(対策は?)やっぱりマスクは重要になってくるのではないかと思う」

そして避難している人たちだけでなく避難所運営に当たる人たちへの健康を気遣っていました。
(一戸克明医師)
「準備から含めて36時間ずっと働きっぱなしだという福祉課の方もいたし30分しか寝ていないと。被災者もそうだが、マネジメントの方の健康が心配」