「ヨーロッパではオイスターバーでワインといっしょに頂く高級食材です。私は食べたことないですが、独特の渋みがあって癖になる味わいだそうです」と寺本さん。

研究の成果を論文にまとめて5月、国際的な学術誌に発表しました。
するとこの論文は、「国外から意図的に持ち込まれたカキ類が天然の海域に定着した事例」としては、国内初の発表となりました。

近年、三陸沿岸では「高水温」によってホタテやワカメの収穫量が落ち込んでいて、対策が急がれています。
「主産地のヨーロッパでは資源量が激減していて、日本への輸入は5年前から止まっています。岩手の水産業を活性化させる産品になる可能性を秘めています」
「ヨーロッパヒラガキ」が三陸の海に新たな可能性をもたらすのか―。
種苗の安定生産や養殖技術の確立に向け、寺本さんの研究に期待が寄せられています。