
札幌大学アイヌ専攻 本田優子教授
「やはり経済的に大変なお宅が多いので、なかなか進学率が低いんですよね。もうひとつはやはり20歳前後ってものすごく自分について考える時期なので、そういう時期に高等教育、大学の中でアイヌ文化をちゃんと学べる場を作りたい」
制度を立ち上げた本田優子教授の元には当初、「逆差別」だとの批判が相次いだといいます。
札幌大学アイヌ専攻 本田優子教授
「アイヌの若者たちと一緒になって、そういう異文化的な多文化的な環境の中に、マジョリティの学生も身を置くことによって、多様性の感覚が培われる。だからこれは決して アイヌの若者たちだけのものではなくて、マジョリティの学生たちが成熟していくためのうちの教育理念に沿った、人間として育っていくためのプロジェクト」
大学4年の結城泰さんは、ウレシパクラブの学生共同代表として、メンバーを束ねています。
両親ともにアイヌである結城さんは、ふだん、表立って差別やヘイトを受けることはないと言いますが…。

札幌大学4年 結城泰さん
「純血の方なんですか?とか聞かれたり、アイヌ何世なんですか?とか聞かれたことがあって。それはそっちのステレオタイプにはめているだけであって、こっちには無い型なんで。なんかもやってする感じですよね」
インターネット上の差別的な投稿は、「ストレスのはけ口」と冷静な目で見ています。
札幌大学4年 結城泰さん
「差別があったとか差別体験とかのエピソードのネガティブキャンペーンはあまり好きじゃなくて。ネガティブを伝えるのは、ネガティブにまた伝わるじゃないですか。ネガティブって影響、感染していくと思うんです。でもそういう事実があったっていうのは、伝えていくべきだとは思います。こういう差別の歴史があった、差別が今もあるというのは」