2025年は、北海道だけでなく、本州各地でクマによる深刻な被害が相次ぎ、かつてないほどの死傷者が出ました。北海道では8月、知床の羅臼岳で登山客の男性が襲われて死亡。クマとの危険な遭遇は、もはや森の奥だけに留まりません。

住宅街や公園、そしてスーパー、動物園に至るまで、これまで安全と信じてきた日常のすぐ近くで、クマの存在は脅威となりつつあります。

北海道南部の福島町では2025年7月、新聞配達中の男性が、民家のすぐ前で襲われ、クマの犠牲となりました。緊張が強いられる現場で、クマと対峙した地元のハンターが、初めてテレビカメラの前で取材に応じました。

《「クマも興奮しているから毛が逆立って」男性を襲って草むらへ…》

 2025年7月の朝、当たり前だった日常が突然、壊れました。居るはずのない脅威が、住宅地に現れたのです。

麻原衣桜記者(2025年12月取材)
「今年7月、クマに襲われた死亡した男性の遺体は、この草やぶの中で見つかりました」

2025年7月、北海道南部の福島町で、新聞配達員の男性(52)が、住宅の前でクマに襲われ、命を失いました。男性を襲ったクマは、そのまま男性を近くの草やぶの中に引きずり込み、死亡させた後、姿を消しました。

クマが駆除されるまでの間、福島町は緊張を強いられることになったのです。

クマを駆除したハンター(70)
「クマも興奮しているから、毛が逆立って、普通の頭の倍ぐらいの大きさで近寄ってきていたもんだから」

北海道ではヒグマの出没が相次ぎ、本州では東北や北陸地方などで、ツキノワグマによる被害が急増。死傷者は全国で230人を数え、2025年は、かつてない深刻なクマ被害と直面することになりました。