
そして、道路わきに駐車していた事故車両の横を通過…これでは、走行していた車を見て、事故車両の男性が「通行規制が終わり、もう走行してもいい」などと思い込んでしまった可能性が否定できません。

さらに、映像には、追い越しをかけたわけではないのに、猛スピードもあってか、センターラインからはみ出したり、センターライン上を走ったりする自転車が相次ぎ、セイフティーネットとして、反対車線の通行規制が必要だったことが伺えます。
出場していた選手の一人は、一連の映像を見て「ガードマンは全く役割を果たしていない。先導のバイクも手を振って通り過ぎるだけ。運営側、協会に大きな責任があるのは明らか。はみ出した選手の過失が大きいとされるのは、同じ選手として納得できない」と憤ります。
それでは、五十嵐選手は、なぜ、反対車線にはみ出したのか?
HBCは中央大学の広報室に対し、今回は、下記の質問にYesかNoだけでも自転車競技部の監督や選手に回答してもらえないか、依頼しました。
・初出場だった五十嵐選手は、事前にコースの試走、下見はしていた?
・チーム内で片側走行の徹底、監督などからの指示はあった?
・片側走行は“原則”で、勝負を仕かける“一瞬”は、はみ出しも止むを得なかった?
しかし、中央大学の広報室からは「この度のご依頼につきましても、大変、申し訳ございませんが、ご対応いたしかねます」という回答でした。
事故から1か月…協会は、今のところ次の正式会見の予定はないとしながらも、レースの素材提供に応じるなど、広報の実務者レベルでは「このままではいけない」という姿勢を見せています。
一方、警察は、協会や事故車両の男性から事情を聴くなどし、刑事責任を問えるだけの過失があるのか、捜査を続けていますが、逮捕案件ではないので、事故車両のドライブレコーダーの有無など、途中経過は明らかにしないとしています。