事件全体の量刑判断②
本件の契機は交際トラブルであり、本来は話合いで解決すべきものであったのに、当事者でもない者が乗り込んで暴力に発展しており、その経緯に酌量すべきところは何もない。
被害者の死亡という結果が重大であることはいうまでもない。被害者は、真面目で頑張り屋、優しく穏やかな人物であり、大学入学後は、サークル、ボランティア、アルバイト、趣味にと充実した毎日を送っていたという。それなのに、20歳という若さで、甚大な肉体的・精神的苦痛を与えられながら、突如理不尽にも孤独の中、その生涯を終えることを余儀なくされたのであり、その絶望感や無念は察するに余りある。
被害者の遺族らの処罰感情が厳しいことは至極当然である。被害者の父は、生前の被害者と二人で旅行に出かけるなどその関係は大変良好であり、被害者の将来にも大きな期待を待っていたにもかかわらず、本件によりその期待は酷くも失われた。被害者の母も愛する息子を失ったことを心から悲しんでいる。被害者の姉は、生前の被害者ときょうだい仲がよく、近況を語り合ったり、大好物のラーメンを食べに行ったりするのを楽しみにしていた。それも、今後二度と叶うことはない。
こうした被害者遺族らの喪失感、悲嘆は筆舌に尽くし難く、慰める言葉も容易には見当たらない。以上によれば、本件は、強盗致死罪を含む事案の中でも最も悪質な部類に近いといえ、このような評価は、本件犯行に計画性がないことを踏まえても変わりはない。







