《懸念される環境への影響「大規模に破壊してまでやる必要があるかどうか」》

インタビューに答える野口健さん(10月1日)

――野口さんからは「メガソーラー全てがダメではない」というお話がありましたが、野口さんが考える許容されるメガソーラーとはどのようなものでしょうか。
野口健さん:いろんな考え方があると思いますが、北海道の場合は原発が稼働していませんので、メガソーラーにある程度頼るのは当然です。原発が稼働すると、おそらく、さほどメガソーラーというのが必要なくなるのではないか。ただ、これも100か0かの話ではありません。

私は山の人間ですから、山のことを考えた場合に、森林を伐採してまでやるのかと。例えばドイツでは、基本的に森林を伐採してはならず、一部伐採する場合は、確かその5倍か6倍の森を再生しなければならないとか、そこにいる野生動物を責任持って移住させなければならない、どうやって移住させるのかというのはありますが、そういったルールがあります。また、メガソーラーの企業が途中で倒産することも念頭に入れ、申請時にパネルやバッテリーの撤去費用の一部を地元の行政に預けなければいけないなど、いろいろなハードルがあって、初めてメガソーラーが設置できるとなっています。そうあるべきだと思っています。

この10数年で、特に山間部で物凄い勢いで木が伐採され、地形が変えられて、ソーラーパネルができていくというのは日本中そうです。私が住んでいる山梨もそうです。

大規模に自然を破壊してまでやる必要があるかどうか。それがないと人間が生活できないというのならまだしも、大きく自然を破壊してまでやってはいけないのではないか。日本はヨーロッパと違って山間部が多いので、日本でのメガソーラーの設置場所は、平地や工場の敷地内など限定されるのではないでしょうか。

ドイツが世界で最も多いと言われてきましたが、面積で言うと、日本のメガソーラーはドイツの倍近くあるという話です。新たなメガソーラーは本当に必要かどうか。メガソーラーではなく、小型の太陽光パネルなどが、使っていない畑やゴルフ場などにあるぶんにはいいのかもしれません。簡単に言うと、大量に山の樹木を伐採し、地形を変えてまでするべきではない。そこはルールを決めるべきだと思います。

近年、クマが里に下りてくると言われますが、いろんな理由があると思います。今年はドングリの実がならなかったという話もありますし。ただ、メガソーラー建設で、森が大量に伐採されれば、野生動物は生活できなくなり、当然里に下りてきます。

また、メガソーラーのパネルは夏には80℃ぐらいまで温度が上がります。20万枚、30万枚というソーラーパネルが場所によってはある。数十万枚のソーラーが80℃になるとものすごく暑くなります。その近くに野生動物は生息できなくなるでしょう。

それだけ一面が暑くなると、上昇気流が起きて積乱雲ができ、豪雨につながると指摘する専門家もいます。山間部で大規模に伐採すれば、豪雨の時に土砂が下に流れ、近くに海があったら海を汚染することにもなるし、災害にもつながりやすい。そう考えると、大規模に森を切り、山の地形を変えてまでのメガソーラーは本当に必要ですか、ということを訴えていきたいし、そこに対して法整備をしてもらいたい。全部がダメという話ではないんです。海岸近くの平地などはいいのかもしれないし、場所によると思います。