文献調査の応募検討の表面化から5年以上、いわゆる核のごみの議論が続いているのが北海道後志地方の寿都町です。

10月下旬の町長選挙は「現職」対「新人」の構図になりそうです。

高市早苗 新総裁
「働いて、働いて、働いて、働いて、働いて参ります」

次の総理大臣候補が決まった翌朝、寿都町の片岡春雄町長は、私たちに、こう話しました。

片岡春雄町長
「いまの自民党は課題だらけなので、おそらく手が回らないだろう」

核のごみの最終処分の政策はいま、動きはないだろうという意味です。

6期24年、町政を担ってきた片岡町長。7期目を目指して9月、早々に事務所を立ち上げました。

寿都町・片岡春雄町長(76)
「7期目に向けて一番の寿都の問題は漁業が基幹産業でありながら、海がそれになかなか応えてくれない時代になってきた」

あいさつで最初に触れたのは、マチの産業について。

コンブやノリ、ウニなどの養殖に向けた実証試験をスタートさせたと説明しました。

5年前、核のごみの最終処分場選定に向けた文献調査への応募によって、マチを二分する議論を招いたことを申し訳ないとも発言しています。

寿都町・片岡春雄町長(76)
「今年から私は国がもっと積極的に責任を持って調査地区を決定すべきだと話しをさせていただいている」

終りの見えない分断と進むマチの衰退。

人口は、前回町長選が行われた2022年から、この4年の間に8パーセント減りました。そんなマチの現状を変えたいと町長選への立候補を表明したのは寿都町議の大串伸吾さんです。

10月7日が事務所開きでした。

大串伸吾さん(41)
「核のごみ問題で議論された方々は、議論の疲弊、疲労感。(文献調査は)最初は2年と言われていた話が5年に渡っている。いつまでこれを続けなければならないのかと(住民の)疲弊感を感じました」

町長選の後、第2段階の「概要調査」へ進むか否かを問われることになる「住民投票」については。

大串伸吾さん(41)
「選定プロセスから卒業するのが必要だと思います。住民投票では反対多数になるという事が大事。そういう風に終止符を打つことができれば、核のゴミの問題をこれ以上語ることはないとすれば、町民は比較的速やかに話し合いができるようになれる人はいます」

片岡春雄町長(76)
「知事の思いも含めて、町民のみなさんが(住民投票で)賛成が多くても、私が今すぐにそれに応えるのは、果たして日本のためにいいのか。北海道のためにいいのか。判断したときにはちょっと躊躇するよねという意味で答えは出せないとの話をさせていただいております」

寿都町長選挙は、10月23日に告示。投開票は10月28日です。