伊藤信太郎 環境大臣
「事業者に対しては、希少種等への配慮の徹底を求めていきたい―」

設置予定地の周辺は、国の天然記念物『オジロワシ』が、過去に営巣していた記録が残っているという。

こうしたことから、国は『いまもオジロワシは営巣しているのか?』、そして『工事によって、どのような影響を受けるのか?』など、事業者に対して調査を求めている。

調査結果が明らかになるまで、工事は一時中断されている状況だ。

■《設置予定地は『オジロワシ』の営巣地なのか?》

いまも、知床岬の周辺に、国の天然記念物『オジロワシ』は生息しているのだろうか?

30年にわたって、北海道・知床で『オジロワシ』研究を続ける、東京農業大学の白木彩子准教授にお願いして、取材に同行してもらった。

東京農業大学 白木彩子准教授
「私は新聞報道で初めて知ったので、非常にびっくりしました。本来であれば、知床に生息している生物について調べて、“ソーラーパネルを作ること”“人が入ること”が、(知床の自然に)どのような影響を及ぼすかを評価して、影響がないような形で事業を進めるとか…、それが一切なかったってことが、一番の問題ではないかなと」

知床の環境への影響を懸念する白木准教授は、移動中も『オジロワシ』の姿を探すことに余念がない。

東京農業大学 白木彩子准教授
「“オジロワシ”…。ただココは、知床岬とは離れているので、岬のツガイではないです」

さらに移動すること2時間…、ソーラーパネルが設置される予定地から、やや手前の海で『オジロワシ』を探していると…。

東京農業大学 白木彩子准教授
「いるいるいる…」

調査員
「いました!いました!オジロワシを発見しました」

東京農業大学 白木彩子准教授
「繁殖ツガイとして、ココに生息しているということは明らか。(オジロワシの)行動圏としては、影響を受ける場所に、営巣しているツガイだと思われます」

やはり、ソーラーパネルの設置予定地の近くで、国の天然記念物『オジロワシ』は、いまも営巣している可能性が高いことが、今回の取材で明らかになった。