家族に支えられながら、障害者の社会参画を目指す

家で中島さんを支えるのは妻・陽子さんです。

(中島さんの妻・陽子さん)
「結婚した時に『体に気を使いたい』と言って、『豆腐とサラダは絶対に食べさせてくれ』と言われたのでそれだけは毎日やっている。耳が聞こえないというと、聞こえる世界だけで育ってきた人にとっては『耳が聞こえないなんて大変なことだ』と思うが、いざ会ってみると周りとしては、たいしたことない」

出会った当初は手話が全くできなかった陽子さん。筆談から始まりスマートフォンに文字を打つなどして、コミュニケーションを取っていました。少しずつ手話を勉強し、今では手話で会話できるように。さらに一昨年11月、夫婦には女の子が生まれました。

(中島さんの妻・陽子さん)
「気持ちよく過ごせるようにと思うが、お互い選挙の前とかはイライラしがちだったので、大変な時もあった」

別の日、愛知県内では女性議員、障害のある議員らが活動報告を行いました。中島さんがこうした活動をしている背景には、障害者の社会参画が進まない現状があります。民間企業で働いている障害者は約64万人。国・地方自治体などの公的機関では約7万3000人と労働人口の2~3%を占め、年々増えています。しかし政治の世界では…。

(豊田市・中島竜二議員)
「障害者の人口の割合は10%くらい。同じくらいの比率の障害のある議員がいることが理想。現実は難しいかもしれない。いろんな障害者がいて、立候補だけでも勇気がいるし、お金もかかるし支援も必要。かなりハードルが高い」

ゴールは「障害のある人が、障害のない人と同じ舞台に立てる社会」

国の調査では、全国民の約9.2%に何らかの障害があると考えられています。その一方で、国会議員や地方議員のうち何らかの配慮が必要な障害者は47人、約0.14%しかいません。10%近い障害者の声を政治に届ける障害者の議員は、0.1%台という現実。

(豊田市・中島竜二議員)
「障害のある人が障害のない人と同じ舞台に立つことができるのが社会のあるべき姿であり、ゴールでもある。それを目指して変えていかなければならない。時間はかかるかもしれないが、実現できることから取り組んでいきたい。そのために議員がいると思っている。これからもずっと頑張っていきたい」

障害者支援を広げていくということは、誰にとっても暮らしやすい社会に繋がるということ。中島さんは今日も街角で静かに、そして熱く訴えかけます。  

CBCテレビ「チャント!」2月7日放送より