100人中73人 発がん性などのリスクがあるとする血中濃度を超える

しかし去年10月、岐阜県民医連と京都大学が三井水源地が水道水を供給している地域の住民100人から採血した結果、アメリカの学術機関が発がん性など健康リスクがあるとするPFASの血中濃度を超えていたのは、73人でした。

(京都大学医学研究科・原田浩二准教授)
「(PFAS濃度の)暫定目標値を変えていくことが次のステップ。発がん性があると認定されたことをしっかり受け止めた評価を行う必要がある」

(小川麻実さん)
「これは去年10月に血液検査を受けた時の結果です」

血液1ミリリットルあたり2ナノグラム未満なら、健康に影響はないとされている「PFOS」と「PFOA」の合計値が43.7ナノグラムでした。

(小川麻実さん)
「びっくりした。ここまで高い値だと思っていなかったので」

WHOの専門機関は、PFASの一種PFOAを「発がん性がある」、PFOSを「発がんの可能性がある」と認定していて、各務原市は1月9日、全市民対象の電話相談窓口を設置しました。

また、各務原市はPFASの広がりを調べるため、岐阜県と合同で去年8月から地下水の調査をしてきましたが、1月中に調査が一区切りしたことで31日、専門家をまじえての会議がひらかれました。今後は発生源の特定などを進めなければならないということですが…

(各務原市・森田起宇 市民生活部長)
「発生源を特定して元から絶ち、すべての物質を除去することが理想。現状の除去技術やさまざまな科学的知見などを踏まえると、今後の技術開発も含めてかなり長い時間がかかるのではないか。市としての知見が非常に少ないので、専門家の意見、県や国の知見などを踏まえて、頑張ってやっていきたい」

命にかかわる飲み水の問題。何より地域住民の不安をどう解消していくのか。国を挙げて真剣に向き合っていくべき課題です。