アルコール検査をしないと“カギが開かない”仕組みも
(畑中大樹記者)
「こちらの社用車は専用のアプリで管理されていて、スマートフォンでカギを開ける仕組みになっているのですが、アルコール検査機とも連動していて、検査をしないとカギが開かない仕組みになっています」
検査にパスしないと、車を動かせないようになっています。


(東海理化 ニュービジネスマーケティング部・尾西皐太郎さん)
「デジタルキー(=スマホでの解錠)を使うことで、カギの受け渡しや戻し忘れ、紛失もなくせる。アルコールチェックとも連動して“飲んだら乗れない”仕組みを簡単に作れる」
アプリの利用には毎月1台数千円のコストがかかりますが、検査の義務化で導入企業は増えていて、ことし4月から11月までの導入社数はすでに昨年度の2倍に増えているいいます。
「飲んだら乗るな」から「飲んだら乗れない」へ。より確実な対策も、登場しています。
アルコール検知器のメーカー、静岡県富士市の「東海電子」。

ここが作っているのが…
(東海電子 安全・健康システム営業部 今井央宙さん)
「(Q.アルコール検査は?)アルコール検査の機器は車内にあります。センサーの機器がこちら。測定をしないと、エンジンがかからない仕組みになっている」
車内に取り付けた装置に息を吹き込み、アルコールの値がゼロの場合のみエンジンがかかります。

試験用のアルコールスプレーを口に含んで息を吹きかけると…
(機械)
「アルコール数値が検出されました」
車のカギを回しても、エンジンはかかりません。
(東海電子 安全・健康システム営業部 西家司部長)
「物理的にエンジンの始動を制御するところが他のアルコール検査機と大きく違う点で、飲酒運転を未然に防止する効果につながると考えている」
「アルコール・インターロック」というこの装置、抜き打ちでアルコールチェックを促す機能もあり、検出されればエンジンがかからなくなります。

設置費用は1台15万円ほどですが、各地のトラック協会などが助成金を出していて、すでに全国3千台以上に普及しています。厳罰化や、取り締まりの強化によって大幅に減った飲酒運転。
それでも年間120件もの飲酒運転による交通死亡事故が起きている中、いずれ「飲んだら乗れない」車が義務化される日が来るかもしれません。