一人一人に人生があった
「日本はおかしい。戦争は間違っている」と、戦時中の人が言えなかった言葉を度々口にする主人公の百合。

タイムスリップで、現代人が過去に行くという設定は、若者に戦争を身近に感じてもらうためだといいます。
(汐見夏衛さん)
「戦時中の人が主人公で、戦時中の話をしたらやはり遠いと思う。身近に感じられない。歴史の教科書で見るのと変わらないような距離感になってしまうので、現代の自分たちと同じ世界で生きて、同じような経験をしてきた子が、戦時中に行ったらどういうふうにその戦時中の世界が見えるのか という形にすることで、感情移入しやすいお話になるかなと思ったので、現代の子を主人公にしようと」
Q:「明日もう飛び立ってお国のために散っていく、そんな感覚なんていうのは、知らないでしょうからね」

(汐見夏衛さん)
「歴史の授業で習うのはそこまで詳しくなくて、一人一人をクローズアップしているわけじゃないので、わたしも知覧の平和会館に行って、遺書とか日記を読んで初めて、一人一人に人生があったってをいうのを強く感じた」

作品の原点が、故郷 鹿児島県の知覧特攻平和会館。ここで、特攻隊員の直筆の手紙などを読んで、単なる歴史の出来事ではなく、一人一人に人生があったことを強く感じたという汐見さん。この体験が作品に繋がっているのです。

