この冬公開の1本の映画。現代を生きる少女が、太平洋戦争末期の日本にタイムスリップし、助けてくれた青年に心惹かれていきますが、その人が特攻隊員だったという物語です。

若者の命を奪っていく戦争の不条理さも描いたこの映画。原作となった小説「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」

おじいちゃん おばあちゃんも戦争を知らない世代に

2016年に出版され、シリーズ累計70万部のベストセラーですが、本格的に売れたのは、初版から4年も経ってからのことでした。

出版社も予想していなかった大ヒットに繋げたのは、ほかならぬ若者たちだったといいます。

作者の、愛知県に住む汐見夏衛さんです。

(小説を書いた 汐見夏衛さん)
「仕事が終わった後にスマホで書いていて、それがこんなことになるとは…」

実は汐見さん、以前は高校の国語教師でした。物語を書くきっかけは、生徒の戦争への関心の低さを授業で実感したことでした。

(汐見夏衛さん)
「今の高校生とか小・中学生にとって、戦争がすごく遠くて、おじいちゃん おばあちゃんも戦争を知らない世代そういう世代。そういう世代に対して(授業で)「戦争の話をやるよ」というと『悲しいからあまり読みたくない』とか、そういう反応をする子が一定数いる。
こうやって、怖いから見たくないっていうふうに忘れられていくのかなって思っていて、それに少しでも歯止めをかけられないかなと思って小説にした」